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【目次】
はしがき

第1章 サブプライム危機の原因と特徴
 1 サブプライムローン関連損失とサブプライム危機の原因の整理
  1-1 サブプライムローン関連損失:ローン vs. 証券化商品
  1-2 サブプライム危機の原因の整理
 2 サブプライム危機の図式化
  2-1 1990年代の日本の不良債権問題
  2-2 サブプライム金融危機
 3 サブプライム危機の特徴
  3-1 米国住宅バブルの生起と崩壊
  3-2 住宅ローン債権の証券化・組成化①:モラルハザード
  3-3 住宅ローン債権の証券化・組成化②:リスクの所在・評価
  3-4 住宅ローン債権の証券化・組成化③:信用リスク vs. 流動性リスク
  3-5 レバレッジ金融:景気循環促進的行動
 4 サブプライム危機の原因・特徴とケインズの経済学
  4-1 バブルの生起・崩壊と「企業 vs. 投機」
  4-2 バブルの生起・崩壊と「現金預金 vs. 貯蓄預金」
  4-3 バブルの生起・崩壊と「産業的流通 vs. 金融的流通」
  4-4 バブルの生起・崩壊と「自然利子率 vs. 市場利子率」

第2章 サブプライム危機をめぐるマクロ経済環境と資金の流れ
 1 サブプライム危機をめぐる個人の経済行動
  1-1 個人消費支出 vs. 住宅投資
  1-2 消費者ローン vs. 住宅ローン
 2 サブプライム危機をめぐるマクロ経済環境①:借手
  2-1 利子率:LIBORとTBレート
  2-2 失業率
  2-3 住宅価格
 3 サブプライム危機をめぐるマクロ経済環境②:貸手
  3-1 金融の世界 vs. 実物の世界
  3-2 マネーの量:マネーストック
  3-3 マネーの価格:FFレート
 4 サブプライム危機と金融構造
  4-1 サブプライム危機の資金循環分析
  4-2 サブプライム危機と資金の流れ
  4-3 金融仲介の変質:bank-based vs. market-based
  4-4 金融危機の構図の資金循環勘定化
 5 サブプライム危機と金融・資本市場
  5-1 サブプライムローン証券化・組成化商品市場
  5-2 インターバンク市場
  5-3 レポ市場
  5-4 CDS市場

第3章 ノンプライムローンの特徴
     -サブプライムローン vs. ニアプライムローン-
 1 サブプライムローンとニアプライムローンの定義
 2 サブプライムローンとニアプライムローンの特徴
  2-1 ローン借入・返済のタイプ
  2-2 金利水準
  2-3 リスクの尺度
  2-4 延滞率 vs. 債務不履行率
  2-5 住宅ローンの動機
  2-6 住宅ローンの証券化

第4章 金融セクターの危機と実物セクターの悪化
     -商業銀行 vs. 投資銀行-
 1 金融危機のメカニズム:金融セクターの危機と実物セクターの悪化
  1-1 実物セクターと金融セクターの相互作用の図式化
  1-2 実物セクターと金融セクター①:バランスシートとエージェンシー・コスト
  1-3 実物セクターと金融セクター②:金融仲介の実質費用(CCI)
 2 サブプライム危機と「商業銀行 vs. 投資銀行」
  2-1 サブプライムローン供給の担い手:商業銀行 vs. 投資銀行
  2-2 商業銀行の成長率 vs. 投資銀行の成長率
 3 「商業銀行 vs. 投資銀行」と実物経済
  3-1 商業銀行と実物経済:サブプライム危機に関する実証研究①
  3-2 投資銀行と実物経済:サブプライム危機に関する実証研究②
  3-3 商業銀行・投資銀行と実物経済:サブプライム危機に関する実証研究③
 4 サブプライム危機とサブプライムローン証券化
  4-1 サブプライムローンの証券化
  4-2 商業銀行・投資銀行による証券化商品・組成化商品の大量保有
 5 サブプライム危機とレバレッジ金融
  5-1 リスクをとる業務 vs. リスクをとらない業務:投資銀行
  5-2 証券化とレバレッジ金融
  5-3 投資銀行のレバレッジ金融
  5-4 金融の重層化と「レバレッジ vs. デレバレッジ」

第5章 サブプライム危機の兆候と伝播メカニズム
 1 サブプライム危機の兆候
  1-1 サブプライム危機の兆候①:金融資本市場における3つの信用スプレッド
  P-2 サブプライム危機の兆候②:不動産市場とABCP
 2 サブプライム危機の伝播メカニズム
  2-1 サブプライム危機の伝播・増幅メカニズム
  2-2 情報と金融経済の振幅
  2-3 金融危機の「貨幣的影響 vs. 非貨幣的影響」
  2-4 サブプライム危機とクレジット・クランチ
  2-5 金融危機の総供給への影響
 3 バランスシートと流動性
  3-1 流動性の枯渇:資金調達の困難さ vs. 資産売却の困難さ
  3-2 借手のバランスシート悪化スパイラル:ロススパイラル
       vs. マージンスパイラル
  3-3 金融機関への取り付け:銀行預金保有者 vs. ファンドへの投資者

第6章 サブプライム危機のマクロ経済モデル
 1 Bernanke and Blinder[1988]のCC-LMモデル
  1-1 IS-LMモデルと銀行の与信・受信
  1-2 CC-LMモデル
 2 サブプライム危機のマクロ経済モデル
 3 IS-LMモデルと産業的流通・金融的流通
 4 Diamond and Rajan[2006]モデル:国内預金による資金調達 vs. 外貨建て借入
  4-1 Diamond and Rajan[2006]の実質モデルとサブプライム危機
  4-2 Diamond and Rajan[2006]の名目モデルとサブプライム危機

第7章 金融当局の貸借対照表と金融政策手段
     -伝統的な金融政策手段 vs. 非伝統的な金融政策手段-
 1 米国連邦準備銀行(FRB)全体の統合された貸借対照表
  1-1 資産の部
  1-2 負債の部
  1-3 資本の部
 2 金融当局(FRBと財務省金融勘定)の貸借対照表
 3 サブプライム危機と伝統的な金融政策手段
 4 サブプライム危機と非伝統的な金融政策手段
  4-1 TAF(Term Auction Facility)
  4-2 TSLF(Term Securities Lending Facility)
  4-3 PDCF(Primary Dealer Credit Facility)
  4-4 JPモルガン・チェースのベアー・スターンズ買収のための貸出
 5 サブプライム危機下の金融政策のトランスミッション・メカニズムと有効性
  5-1 金融政策のトランスミッション・メカニズム
  5-2 金融政策の有効性
  5-3 金融政策 vs. 金融安定化策

第8章 サブプライム危機への金融当局の対応
 1 クレジット・クランチに対する金融当局の対応策
 2 流動性の供給: public liquidity vs. market liquidity
  2-1 Bolton,Santos,and Scheinkman[2009]モデルの設定
  2-2 Bolton,Santos,and Scheinkman[2009]モデルの結論
 3 金融当局による救済と民間金融機関のレバレッジ
  3-1 Farhi and Tirole[2009]モデルの仮定
  3-2 Farhi and Tirole[2009]モデルの展開と結論

参考文献
索引


【著者プロフィール】
滝川好夫(たきがわ・よしお)
神戸大学経済学研究科教授
1953年 兵庫県生まれ。1978年 神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。1980-1982年 米国イェール大学大学院。1993-1994年 カナダブリティッシュコロンビア大学客員研究員。


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