会社概要

代表取締役
千倉 成示
事業目的
専門書・一般書・絵本等の出版・販売
主要取引先
トーハン、日販 等
所在地
〒104-0031 東京都中央区京橋3丁目7-1(相互館110タワー 9F)
TEL:03-3528-6901
FAX:03-3528-6905
出版分野
経営、商業、会計、政治・外交、歴史、絵本、その他

沿革

1929年
4月3日、東京府京橋区京橋三丁目にて創業。
『商学全集』刊行始まる。
1935年
白柳秀湖『民族日本歴史』シリーズ(建国編・王朝編・封建編・戦国編・近世編)がベストセラーに。
1936年
『高橋是清自伝』がベストセラーに。
1960年
山東茂一郎『販売政策の基本問題』が第10回日本商業学会賞を受賞。
1961年
荒川祐吉『現代配給理論』が第11回日本商業学会賞を受賞。
1960年代
東京都中央区京橋二丁目に移転
1960年
山東茂一郎『販売政策の基本問題』が第10回日本商業学会賞を受賞。
1961年
荒川祐吉『現代配給理論』が第11回日本商業学会賞を受賞。
1964年
荒川祐吉『小売商業構造論』が第14回日本商業学会賞を受賞。
1966年
山中均之『マーケティング・モデル』が第16回日本商業学会賞を受賞。
1969年
風呂勉『マーケティング・チャネル行動論』が第19回日本商業学会賞を受賞。
1970年
斉藤昭雄『フランス会計理論――フランス純粋会計論の研究』が日本会計研究学会太田賞受賞。
荒川祐吉『商業構造と流通合理化』が第20回日本商業学会賞を受賞。
竹林祐吉『ボランタリー・チェーンの研究』が第20回日本商業学会賞を受賞。
山東茂一郎『有標品と販売政策』が第20回日本商業学会賞を受賞。
1972年
田村正紀『マーケティング行動体系論』が第22回日本商業学会賞を受賞。
1974年
野中郁次郎『組織と市場』が第17回日経・経済図書文化賞を受賞。
1975年
井上幸一『社会主義商業論』が第25回日本商業学会賞を受賞。
1982年
田村正紀『大型店問題――大型店紛争と中小小売商業近代化』が第32回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
三浦一『購買者行動論』が第32回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
1983年
石原武政『マーケティング競争の構造』が第33回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
1984年
石井淳蔵『流通におけるパワーと対立』が第34回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
中西正雄『小売吸引力の理論と測定』が第34回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
1986年
田村正紀『日本型流通システム』が第29回日経・経済図書文化賞を受賞。
1987年
田村正紀『日本型流通システム』が第37回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
1988年
白石善章『流通構造と小売行動』が第38回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
野口智雄『現代小売流通の諸側面』が第38回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1989年
桑原秀史『小売市場の経済分析』が第39回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
戸田博之『収支的簿記体系の研究――古典的カメラール簿記の発展史的考察』が第5回日本会計史学会賞を受賞。
1991年
桜井久勝『会計利益情報の有用性』が第34回日経・経済図書文化賞、日本会計研究学会太田・黒澤賞を受賞。
1992年
池尾恭一『消費者行動とマーケティング戦略』が第42回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
瀬戸廣明『販売会社流通の基礎』が第42回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
後藤一郎『アメリカ卸売商業の展開』が第42回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1993年
黄リン『流通空間構造の動態分析』が第43回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1994年
佐藤善信『現代流通の文化基盤』が第44回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1995年
高嶋克義『マーケティング・チャネル組織論』が第45回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
向山雅夫『ピュア・グローバルへの着地』が第45回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1998年
渡辺達朗『流通チャネル関係の動態分析』が第48回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
1999年
南 知惠子『ギフト・マーケティング』が第49回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2000年
山本昭二『サービスクオリティ』が第50回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
高橋郁夫『消費者購買行動-小売マーケティングへの写像』が第50回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
谷地弘安『中国市場参入』が第50回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2001年
石原武政『商業組織の内部編成』が第51回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
小川 進『イノベーションの発生論理』が第51回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞、第17回組織学会高宮賞【著書部門】を受賞。
2002年
宮下國生『日本物流業のグローバル競争』が第45回日経・経済図書文化賞を受賞。
上林憲雄『異文化の情報技術システム――技術の組織的利用パターンに関する日英比較』が第1回日本労務学会賞(学術賞)を受賞。
米谷雅之『現代製品戦略論』が第52回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
2003年
本田一成『チェーンストアの人材開発――日本と西欧』が第53回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
2004年
黄リン『新興市場戦略論――グローバル・ネットワークとマーケティング・イノベーション』が第54回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
2005年
清水聰『消費者視点の小売戦略』が第55回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2006年
白井美由里『消費者の価格判断のメカニズム――内的参照価格の役割』が第56回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
新倉貴士『消費者の認知世界―ブランドマーケティング・パースペクティブ』が第56回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
絵本シリーズの刊行を始める。
2007年
加藤 司『日本的流通システムの動態』が第57回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2009年
五百旗頭眞『歴史としての現代日本』が第7回毎日書評賞を受賞。
2010年
西村順二『『卸売流通動態論-中間流通における仕入と販売の取引連動性』が第60回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2011年
小林道彦・中西寛『歴史の桎梏を超えて――20世紀日中関係への新視点』が第27回大平正芳記念賞特別賞を受賞。
福島安紀子『人間の安全保障――グローバル化する多様な脅威と政策フレームワーク』が第9回日本NPO学会賞(優秀賞)を受賞。
森田雅也『チーム作業法式の展開』が第10回日本労務学会賞(学術賞)を受賞。
峰尾美也子『小売構造変化』が第61回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2012年
待鳥聡史『首相政治の制度分析――現代日本政治の権力基盤形成』が第34回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞。
2013年
寺本 高『小売視点のブランド・コミュニケーション』が第63回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2014年
阿部周造『消費者行動研究と方法』が第64回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
2015年
樺山紘一『歴史の歴史』が第69回毎日出版文化賞(人文・社会部門)を受賞。
結城 祥『マーケティング・チャネル管理と組織成果』が第65回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
平野龍二『日清・日露戦争における政策と戦略――「海洋限定戦争」と陸海軍の協同』が第1回日本防衛学会猪木正道賞奨励賞を受賞。
2016年
白鳥潤一郎『「経済大国」日本の外交――エネルギー資源外交の形成 1967~1974年』(「叢書 21世紀の国際環境と日本」05)が第38回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞。
斉藤嘉一『ネットワークと消費者行動』が第66回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
2017年
砂原庸介『分裂と統合の日本政治――統治機構改革と政党システムの変容』が第17回大佛次郎論壇賞を受賞。
2018年
金恩貞『日韓国交正常化交渉の政治史』が第30回アジア・太平洋賞特別賞、2018年度現代韓国朝鮮学会賞(小此木賞)を受賞。
梅本哲也『米中戦略関係』が第4回日本防衛学会猪木正道賞正賞を受賞。
片野浩一・石田実『コミュニティ・ジェネレーション――「初音ミク」とユーザー生成コンテンツがつなぐネットワーク』が第34回電気通信普及財団賞(テレコム社会科学賞)を受賞。
2019年
高橋和宏『ドル防衛と日米関係――高度成長期日本の経済外交 1959~1969年』(「叢書 21世紀の国際環境と日本」07)が第31回アジア・太平洋賞特別賞を受賞。
2020年
近藤公彦・中見真也『オムニチャネルと顧客戦略の現在』が「日本マーケティング本 大賞2020」大賞を受賞。
石井裕明『消費者行動における感覚と評価メカニズム――購買意思決定を促す「何となく」の研究』が「日本マーケティング本 大賞2020」準大賞を受賞。
石井裕明『消費者行動における感覚と評価メカニズム――購買意思決定を促す「何となく」の研究』が「日本広告学会賞 学術著書部門 学会賞」を受賞。
2021年
藤村和宏『「便益遅延性」が顧客満足・顧客参加に及ぼす影響――医療サービスにおける消費とマーケティングのあり方を考える』が第71回日本商業学会賞(優秀賞)を受賞。
石井裕明『消費者行動における感覚と評価メカニズム――購買意思決定を促す「何となく」の研究』が第71回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
菊盛真衣『eクチコミと消費者行動――情報取得・製品評価プロセスにおけるeクチコミの多様な影響』が第71回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
福島康仁『宇宙と安全保障――軍事利用の潮流とガバナンスの模索』が第24回日本公共政策学会賞(奨励賞)を受賞。
千々和泰明『安全保障と防衛力の戦後史 1971~2010――「基盤的防衛力構想」の時代』が第7回日本防衛学会猪木正道賞(正賞)を受賞。
劉慶紅『利他と責任――稲盛和夫経営倫理思想研究』が第29回日本経営倫理学会賞(水谷雅一賞)を受賞。
大平修司『消費者と社会的課題――ソーシャル・コンシューマーとしての社会的責任』が2021年度日本商品学会賞を受賞。
2022年
ケネス・盛・マッケルウェイン『日本国憲法の普遍と特異――その軌跡と定量的考察』が第34回アジア・太平洋賞特別賞を受賞。
2023年
一般社団法人出版梓会より「第19回 出版梓会新聞社学芸文化賞」を受賞。
湯川勇人『外務省と日本外交の1930年代――東アジア新秩序構想の模索と挫折』が第39回大平正芳記念賞正賞を受賞。
中西善信『公共調達の組織論――正統性とアカウンタビリティの罠』が2022年度 経営行動科学学会JAASアワード優秀研究賞(著書部門)を受賞。
本條晴一郎『消費者によるイノベーション――分野外情報の有効性』が第73回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
東島雅昌『民主主義を装う権威主義――世界化する選挙独裁とその論理』が、第35回アジア・太平洋賞大賞、第66回日経・経済図書文化賞、第45回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞。
中山俊宏『理念の国がきしむとき――オバマ・トランプ・バイデンとアメリカ』が第35回アジア・太平洋賞選考委員会特別賞を受賞。
ケネス・盛・マッケルウェイン『日本国憲法の普遍と特異――その軌跡と定量的考察』が第44回石橋湛山賞を受賞。
2024年
赤松直樹『消費者行動の新しい分析視点――逐次選択時の購買意思決定とマーケティング』が第74回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。
石井隆太『デュアル・チャネル――B2Bマーケティングにおける流通戦略』が第74回日本商業学会賞(奨励賞)を受賞。

千倉書房の歴史

昭和11年2月26日付読売新聞の広告より
―――いちばん上の段は縦書きだ。「高橋是清自傳」――「自傳」は「自伝」だろう。「活ける明治史」という推薦文が付けてある。ところが、この立派そうな本といっしょに、「男女生活の設計」という、思わず笑い出したくなるようなタイトルの本の広告も載せられているのだ。どうやら版元が同じであるらしい。千倉書房という出版社だ。―――
(宮部みゆき『蒲生邸事件』より)

ベストセラーとなった宮部みゆきの代表作『蒲生邸事件』の主人公・尾崎孝史は、昭和11年にタイムスリップし、手渡された新聞で小社の広告を目にします。2月26日、まさに二・二六事件で高橋是清が暗殺されたその日です。『高橋是清自伝』が発行されたのは2月9日。発売から1カ月も経たないうちに昭和を震撼させた一大事件が起こり、同書は爆発的な売れ行きを記録しました。

美濃部達吉。
小社より『行政裁判法』刊行

千倉書房は、創業者千倉豊により昭和4年に呱々の声をあげました。前年の昭和3年に張作霖爆発事件が勃発するなど大陸情勢は緊迫の度を増し、長引く経済の低迷で世上には淀んだ空気が漂い、昭和4年10月にはニューヨークの株価大暴落をきっかけに世界大恐慌が吹き荒れる。そうした不穏な時代状況下での船出でした。
創業第一弾の刊行ラインナップは美濃部達吉『行政裁判法』と高田保馬『価格と独占』の2冊。「天皇機関説」で知られる美濃部と日本における理論社会学の祖である高田の二人はともに当時の第一級の知識人であり、そうしたビッグネームが新興の出版社で書き下ろすのは異例のことでした。
また、浜口雄幸内閣で大蔵大臣を務めていた井上準之助の『国民経済の立直しと金解禁』は、金解禁が経済政策における最大の論争点となっていたため、長引く経済の低迷に倦んでいた世論に受け入れられ、37万部を売り上げるベストセラーとなりました。しかし井上の意に反して国内経済は極度のデフレーションに陥り、翌年誕生した犬養政権で蔵相に就任した高橋是清は再び金輸出禁止へと舵を切り直します。高橋是清と井上準之助は昭和初期の日本経済を動かした最重要人物とも言える二人であり、井上もまた、昭和7年の血盟団事件で非業の死を遂げています。
『高橋是清自伝』と二・二六事件、井上の『国民経済の立直しと金解禁』が象徴するように、激動の昭和史とともに歩み始め、その基礎を築いてきたのが千倉書房なのです。

井上準之助
『国民経済の立直しと金解禁』
昭和4年9月刊

同時に、商業大学開放の旗幟のもとに、商業全集41巻、経営学大系30巻、工業経営全書20巻、会計学大系36巻、商業経済学大系38巻、日本経済政策大系12巻、千倉常識講座32巻など画期的な企画を続々と実行に移し、学問の普及・興隆と新しい出版領域の開拓・確立とに、文字どおり先駆的役割を果たして来ました。

爾来、今日まで時流におもねることなく、また華美に流れることなく、「最後の一冊まで売れる良書を」、「損をしても悔いのない出版を」という創業時の信条を堅持し、独自の伝統と実績とを現代に活かし、学問の定本として永遠に生命を保ちうる良書を厳選するとともに、それらをできるだけ低廉な価格をもって世に送ることにより、出版人としての正道を歩み続けています。

アクセス

東京メトロ銀座線「京橋駅」2番出口、徒歩1分